【車旅4日目】自分だけでは訪れなかった日本の始まりの地|橿原、明日香村へ

【車旅4日目】自分だけでは訪れなかった日本の始まりの地|橿原、明日香村へ

こんにちは♪

2023年春分の日に入籍し、お互い無職の新婚夫婦で無計画な車旅へ出発。

現在は、車旅でたどり着いた屋久島で暮らしているSARAHです。

少しずつ貯めていた100万円で無計画車旅がどこまで行けるのか、訪れた場所や旅にかかった費用などをこれから少しずつご紹介していきます。

車旅3日目の記事はこちら↓

今回は車旅の4日目、高野山を出発し九度山、橿原、明日香村を巡り京都を目指します。

旅の初日から降り続いた雨もようやく上がり、お日様の下で日本の原点を回り旅も終盤。

歴史好きなお義母さん大興奮の車旅4日目をご紹介します。

(旅の記録 2023.4.27)


真田坊蓮華定院で迎えた朝

朝のお勤め「声明と読経」

alt="真田坊蓮華定院庭"

高野山の宿坊「真田坊蓮華定院」で迎える朝は、日常とは違う静けさに包まれていました。

この日は朝6時からのお勤め「声明(しょうみょう)と読経」に参加。

声明とは、真言宗に伝わる仏教音楽のような読経で、お坊さんたちの声が堂内に響き渡り、空間そのものが祈りの音に包まれていくような感覚に。

そして、この朝のお勤めでは「先祖供養」もしていただけるということで、2年前に亡くなった私の父の供養をお願いしました。

6名の僧侶の力強い読経の中に、父の名前が読み上げられた瞬間、胸に込み上げるものがあり自然と涙が溢れ出しました。

この体験もきっと導かれてきたような氣がします。


精進料理の朝食をいただく

お勤めのあとは宿坊ならではの精進料理の朝食。

お出汁の香りがふんわりと漂うお味噌汁に、炊き立てのご飯、季節の野菜を使った小鉢料理などやさしくてほっとする味わい。

朝のお勤めをして心を整えた後にいただく身体にやさしい朝食は、ふと”足るを知る”という言葉が降りてきました。

シンプルに丁寧に生きることの大切さを改めて感じさせてくれる時間となりました。

真田家の面影を辿って〜九度山「真田庵」へ

alt="九度山真田庵"

蓮華定院をあとにし、奈良・明日香村を目指して車を走らせる道中で、どうしても立ち寄りたかった場所ーー昨夜お世話になった”真田家”ゆかりの地「九度山(くどやま)」。

真田庵」という真田幸村の父子の邸跡に建てられたお寺の境内には幸村の父・真田昌幸を祀る「真田大権現」が鎮座しており、神様として静かに祀られています。

他にも松尾芭蕉が詠んだ「真田を讃える句碑」や幸村が雷を封じ込めたという伝説が残る「雷封じの井戸」など、随所に真田ゆかりの史跡が点在しています。

春には牡丹の花が咲き誇り、毎年5月に開催される「真田まつり」では、武者行列のゴール地点として多くの人で賑わうのだそう。

歴史好きにはたまらない、そして何よりも前日から続く”真田家ゆかりの旅”の締めくくりとしても、訪れて良かった場所となりました。

  • 所在地:和歌山県伊都郡九度山町九度山1413
  • 拝観料:無料
  • 時 間:9:00~16:00

日本建国の地「橿原」へ

歴史を肌で感じた「橿原神宮

alt="日本の始まりの地・橿原神宮"

和歌山県から奈良県に入り、まずは「橿原(かしはら)神宮」へ。

ここ橿原は、日本最古の正史とも言われる「日本書紀」に記されており、まさに”日本の始まりの場所”。

神武天皇が豊かで平和な国づくりをめざして、九州・高千穂の宮から東に向かい、想像を絶する苦難を乗り越えて辿り着いた、畝傍(うねび)山のふもとに橿原宮を創建しました。

そしてこの地で、神武天皇は日本の初代天皇として即位されたと伝わります。

その年が「紀元元年」ーー今からおよそ2,680年前のこと。

今まで歴史にはあまり興味なかった私ですが、今回ばかりは心の底から”知りたい”という氣持ちが湧き上がってきました。

境内の静けさや佇まい、そして悠久の歴史に想いを馳せる時間は、まるでタイムスリップしたかのような感覚。


裏手にひっそりと佇む「長山稲荷社」

橿原神宮を参拝したあと、境内を池の方へ歩いていくと、裏手に小さな朱色の鳥居がずらりと並ぶ、可愛らしい稲荷社を見つけました。

橿原神宮の末社(付属した神社)であり、橿原神宮御鎮座よりも前から、この長山の地に祀られていたという歴史ある神社なのだそう。

橿原神宮が創建される際には、その造営と御鎮座を見守り、加護してきた存在です。

少し奥まった場所にあるためか人も少なく、心静かに手を合わせることができました。


四条ミサンザイ古墳

alt="橿原・ミサンザイ古墳"

橿原神宮のすぐ近くに、日本の初代天皇・神武天皇の御陵とされる場所があります。

正式には「畝傍山東北陵(うねびやまのうしとらのすみのみささぎ)」と呼ばれる古墳の一種。

「ミサンザイ」とは貴人の墓を意味する”陵(みささぎ)=天皇の墓”のこと。

要するにここは神武天皇のお墓とされる場所なのだそう。

鳥居の奥に広がるのはただただ静かな空間。

人もおらず、風の音と鳥のさえずりが響きわたる、まるで時間が止まったような場所でした。

自分だけでは訪れなかったであろう日本の始まりの地に導かれて良かったです。


古民家が立ち並ぶ今井町のお蕎麦やさん「粋庵」

alt="奈良県今井町「粋庵」"

橿原から少し移動して訪れたのは、歴史情緒あふれる今井町。

古民家が立ち並ぶこのエリアは、思わずお散歩したくなるような雰囲気。

近くのコインパーキングに車を停めて、お昼は口コミでも評判の「粋庵(すいあん)」へ。

私がいただいたのは鴨ざる蕎麦。

alt="奈良県今井町「粋庵」の鴨ざるそば"

実は私、つい最近まで完全に”うどん派”だったのですが、30歳を過ぎて突然”お蕎麦の美味しさ”に氣付いたのです。

しっかりとコシのある蕎麦に、旨みが凝縮された鴨のつけ汁が絶妙に絡み、本当に美味しかったです。

ランチセットはおかずや天ぷらも付いてとってもお得です◎

  • 所在地:奈良県橿原市今井町1-4-35
  • 時 間:11:30~13:30、17:30~22:00
  • 定休日:月曜日
  • 駐車場:無(コインパーキング)

明日香村

巨石の神秘!石舞台古墳へ

alt="明日香村石舞台古墳で決める旦那親子"

次に向かったのは、お義母さんが旅前からずっと楽しみにしていた「明日香村」。

その中でもまず最初に目指したのは「石舞台古墳」です。

約30個もの巨石を積み上げて造られた石室古墳で、その規模は日本最大級。

現在は盛土が失われ、石室が剥き出しの状態。

これがステージのように見えることから「石舞台」と呼ばれるようになったそうです。

整然と積み重ねられた巨石の姿は、まるで人の手によるものとは思えないほど緻密で美しく、時を超えた神秘を感じさせてくれます。

写真の右側からこの中にも入ることができ、どこを見ても人の手で作ったものとは思えない不思議なものでした。

  • 所在地:〒634-0112 高市郡明日香村島庄254番地
  • 拝観料:一般300円
  • 時 間:9:00~17:00
  • 駐車場:有料と無料(台数少ない)

謎に満ちた遺構「亀形石造物

alt="明日香村亀形石造物"

お次は車を奈良県立万葉文化館に停めてすぐの「亀形石造物」へ。

名前の通り亀の形をした不思議な石造物。

水は鼻から甲羅部分に流れ込み、円形の凹型の甲羅部分で水を溜め、V字状に彫られた尻尾の部分から流れ出すようになっています。

実は未だに何のために使われていたのかは不明な謎の石造物と言われていますが、出土した土器などから7世紀中頃~10世紀の間にかけて利用されていたことが確認されているそうです。

実はこれが発見されたのは結構最近の2000年!

それまではここでずっと眠って見つけてもらうのを待っていたのですね。

  • 所在地:〒634-0111 奈良県高市郡明日香村村岡
  • 拝観料:一般300円
  • 時 間:9:00〜16:00
  • 駐車場:万葉文化館駐車場(無料)

謎が謎を呼ぶ酒船石遺跡

alt="奈良県明日香村の酒船石と旦那親子"

先程訪れた亀形石造物のすぐ裏手。

竹藪の中を少し上がった場所に、これまた不思議な遺跡「酒船石(さかふねいし)」があります。

見ての通り奇妙な溝が掘られていて、こちらの遺跡も何に使用していたのかは謎に包まれたまま。

alt="奈良県明日香村にある謎に包まれた酒船石"

溝は船のようにも見える形状で、石の名前の由来にもなっています。

興味深いのは、この酒船石の下に亀形石造物が位置しているということ。

古代の人々がこの二つを何らかの目的でセットで使っていたのではないか?と言われています。

  • 所在地:〒634-0111 高市郡明日香村岡
  • 拝観料:無料
  • 時 間:いつでも◎
  • 駐車場:万葉文化館駐車場(無料)

飛鳥寺で悠久の歴史にふれる

alt="明日香村・飛鳥寺"

万葉文化館の駐車場に車を停めたまま、歩いて向かった「飛鳥寺」。

飛鳥寺は596年女帝・推古天皇の時代に、蘇我馬子が創建した日本で最初の本格的な仏教寺院です。

当時、朝鮮半島からは多くの先進技術者が呼ばれ、日本で初めて瓦を製造し、仏堂や塔が建てられました。

このお寺を中心に皇居が置かれ、日本で初めての首都として約100年もの間”飛鳥文化”が栄えます。

かつては現在の敷地の20倍もの広さを誇り、壮大な伽藍(がらん)が立ち並ぶ飛鳥寺

609年には、飛鳥時代を代表する仏師・鞍作鳥(くらつくりのとり)によって造られた日本最古の仏像「飛鳥大仏」がこの本堂に安置されています。

alt="明日香村にある飛鳥寺"

飛鳥寺は二度の火災に見舞われ、現在の建物は江戸時代1826年に再建されたもの。

日本仏教の始まりに立ち会っているようなそんな場所でした。

  • 所在地:奈良県高市郡明日香村飛鳥682
  • 拝観料:一般350円
  • 時 間:9:00〜17:00
  • 駐車場:普通車500円

畑の真ん中に蘇我入鹿首塚

alt="明日香村・畑の真ん中にある「蘇我入鹿首塚」"

飛鳥寺の境内の西側(裏手)から出て田んぼや畑の間の道を進んでいくすぐのところに、「こんなところに?」と言わんばかりの場所に”蘇我入鹿の首塚”があります。

明日香村にあったとされる飛鳥板蓋宮(あすかのいたぶきのみや)という大化の改新の時の皇居で蘇我入鹿は殺害されるのですが、その首がこの首塚のところまで飛んだそうです。

首が飛ぶって言葉を聞いただけでゾッとします…

その首を供養するためにそこに埋め、この”五輪塔(ごりんとう)”は鎌倉時代または南北朝時代に建てられたと言われています。

  • 所在地:〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥682
  • 拝観料:無料
  • 時 間:いつでも◎
  • 駐車場:無し

京の夜を満喫

alt="京都のお洒落な居酒屋「紡空」"

明日香村を後にして、私たちはこの3人旅最後の夜を過ごすため京都へ向かいます。

翌朝は義母さんを京都駅に送り、お別れするためこの日は京都のホテルに宿泊することに。

チェックイン後はホテル近くにある【紡空(つむぐ)】という雰囲氣の良さそうな居酒屋へ。

細い路地にひっそりと佇む3階建ての一軒家で、個人で営まれているとのこと。

外観も内装もお洒落で、思わず引き寄せられるように入店しました。

店内は会社終わりの飲み会であろう方で賑わっていて、入れ替わり立ち替わりお客さんが入ってくる様子は地元でも人氣店のよう。

まずはお洒落なお通しと冷えたビールで乾杯。

alt="京都「紡空」のおとうし"

【お刺身四点盛り】

alt="京都「紡空」のお刺身の盛り合わせ"

見た目も美しく、脂の乗ったお魚に笑みがこぼれます。

【京都ポーク肩ロースの塩焼き】

alt="京都「紡空」の京都ポーク肩ロースの塩焼き"

シンプルな塩味が素材の旨みを引き立て箸が止まらない一品◎

途中からは日本酒もいただき、さらに良い氣分に。

他にも天ぷらの盛り合わせと〆のお茶漬けまでしっかりいただき、とても満足です♡

美味しいお料理とお酒で最高なほろ酔い気分で早々にホテルへ戻り、大浴場でゆったりと一日の疲れを癒して就寝。

  • 所在地:〒601-8017 京都府京都市南区東九条北烏丸町12
  • 時 間:17:00〜翌1:00
  • 定休日:日曜日
  • 公式ホームページ【紡空

3人旅も終盤

alt="奈良県橿原神宮での夫婦ショット"

明日はお義母さんが京都駅から新幹線で帰る日。

いよいよここからは、夫婦2人での車旅が本格的にスタートします。

この日に訪れた「九度山、橿原神社、明日香村」は、全てお義母さんのリクエスト。

私たちだけではきっと選ばなかったであろう場所でしたが、いざ足を運んでみるとどこも心動かされる素晴らしい地ばかり。

歴史に対して特別な興味があったわけではなかった私も自然と惹き込まれ、学びの一日となりました。

この旅での出会いと氣付きに、そして素敵な場所へ導いてくれたお義母さんに感謝です。

こうして、3人で巡る4日目の旅も無事に終了。

明日の午前中は京都観光してお見送りしてきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。